生成AIの基本操作は、独学でも身につけられます。
ただし、自己流のままでは修正が増え、実務の成果につながらないことがあります。
ChatGPTや画像生成AIを使っても、思いどおりの結果が出ない。修正を重ねるうちに、自分で作る方が早いと感じることもあります。
私は2023年ごろから生成AIを使い、約15本のIllustratorスクリプトを作成・改造してきました。
中でも試行錯誤が多かったのが、RPG風スクリプトの制作です。
チャット履歴を大枠で数えると、完成までに約100回の修正指示を出していました。
生成AIを使うだけで、完成品が自動的にできるわけではありません。
必要な条件を伝え、出力を見ながら調整する力が求められます。
すでに独学で成果が出ている人は、今の学び方を続けて問題ありません。
一方、使い道や学ぶ順番に迷っているなら、講座やスクールで学ぶ方法もあります。
私の生成AI活用経験をもとに、自分に合う学び方を選ぶポイントを整理します。
ーProfileー
Illustrator歴15年以上のデザイナー。
本ブログでは、Illustratorのスクリプト活用・業務効率化を発信しています。
関連記事:無料で使えるIllustratorスクリプト一覧
生成AIスクールは必要か?独学との違い

操作方法を覚えるだけなら、独学で学べる範囲は広いです。
無料の記事や動画を見ながら、実際に手を動かして覚えられます。
目的が明確なら、スクールへ通わず成果を出せる人もいます。
問題は、使い方が自己流のまま止まってしまうことです。
出力が悪い原因を整理できないと、同じ指示を何度も言い換えることになります。
使う時間ばかり増え、作業時間や品質が改善しない場合もあります。
独学でも学びやすいこと
次のような使い方は、試しながら覚えやすい内容です。
- メール文や文章の下書きを作る
- 必要な情報を整理する
- AIツールの基本操作を覚える
- 趣味として画像を生成する
- エラー文から修正案を出してもらう
最初から難しい課題へ取り組む必要はありません。
小さな作業に使いながら、自分の仕事に合う用途を探せます。
自分で調べて改善できる人なら、独学でも十分に進められます。
スクールで学ぶ価値があること
仕事で使う場合は、ツールの操作だけでは足りません。
次の内容まで理解すると、実務へ取り入れやすくなります。
- 目的に合ったプロンプトの組み立て方
- AI生成物を評価して直す方法
- デザイン工程への組み込み方
- 著作権や商用利用の考え方
- 機密情報を扱う際の注意点
生成結果をそのまま採用するのではなく、仕事で使える品質かを見極めなければなりません。
AIに任せる作業と、人が判断する作業を分けることも必要です。
私も独学で使い方を覚えてきましたが、完成までに多くの手戻りを経験しました。
その具体例が、RPG風Illustratorスクリプトです。
生成AIを独学した実例|修正は約100回

生成AIを取り入れたことで、以前は中断したスクリプトを完成させられました。
ただし、一度の指示で動いたわけではありません。
動作確認と修正を何度もくり返しています。
自作では約1週間かけても未完成だった
生成AIを使う前にも、RPG風のIllustratorスクリプトを自作していました。
1日約3時間、1週間ほど作業したため、制作時間は合計約21時間です。
戦闘画面までは作れましたが、マップ移動などは完成できませんでした。
処理が複雑になり、途中で制作を中断しています。
生成AIでは約8時間で完成できた
その後、生成AIを使ってスクリプトを改造しました。
作業期間は2日間で、合計約8時間です。
次の機能を追加しました。
- マップ移動
- ランダムエンカウント
- 戦闘画面とマップの統合
- コマンドUI
- 戦闘背景
- 攻撃エフェクト
以前に作ったコードや知識を使っています。
そのため、約21時間と約8時間は、同じ条件での比較ではありません。
それでも、一人では止まっていた制作を再開し、完成まで進められた点は大きな変化でした。
実際に生成AIを使って改造したRPG風スクリプトは、IllustratorでRPG風のターン制バトルを作った記事で紹介しています。
戦闘画面だけだった状態から、マップ移動やランダムエンカウント、戦闘後の復帰処理まで追加した過程を確認できます。
完成までの修正指示は約100回だった
制作期間は短くなりましたが、やり取りの回数は多くなりました。
チャット履歴を大枠で数えたところ、完成までに約100回の修正指示を出していました。
コードのエラーだけでなく、操作方法や見た目にも細かな調整が必要でした。
最も苦戦したのは山の表現だった
特に苦戦したのが、マップ上に配置する山の見た目です。
最初に生成された山は、岩のような単純な表現でした。

修正前のマップ画面
「マップの見た目をRPG風に強化」と伝えましたが、期待した変化は得られませんでした。
そこで3〜4回ほど指示を変え、参考画像も添付しました。
その結果、濃い茶色や薄い茶色、緑を使った山へ改善できました。

修正後のマップ画面
文章だけでは伝えにくい見た目もあります。
参考画像を使うと、色や質感の方向を共有しやすくなります。
修正が増えた原因を振り返ると、最初に伝える条件が不足していました。
独学で遠回りした原因はプロンプト設計

修正回数が増えたのは、生成AIの性能だけが原因ではありません。
完成形や実行条件を、私が最初に整理できていなかったことも影響しています。
思いつくたびに条件を追加すると、前の指示との食い違いが生まれます。
先に役割・目的・仕様を決める方が、手戻りを減らせます。
役割・目的・仕様を最初に決める
指示を書く前に、次の3点を整理します。
- 役割:AIにどの立場で考えてもらうか
- 目的:最終的に何を作りたいか
- 仕様:必要な機能や守る条件
RPG風スクリプトでは、実行環境や操作方法を十分に伝えていませんでした。
その結果、ES3に準拠していないコードや関数エラー、変数名の間違いが発生しました。
エラーメッセージをChatGPTへ貼り付け、問題を一つずつ修正しました。
次の条件を先に指定していれば、一部のエラーは防げた可能性があります。
- ES3に準拠する
- Illustratorでの操作方法
- 必要な機能
- IllustratorやOSなどの実行環境
プロンプト設計は、長い文章を書くことではありません。
偶然よい答えが出るのを待たず、必要な条件を与えて出力を調整することです。
曖昧なイメージを具体的な要素に分ける
「見栄えをよくして」「RPG風にして」だけでは、完成像を正確に共有できません。
画像の雰囲気を伝える場合は、次の要素へ分けると指示しやすくなります。
- 光の強さ
- 質感
- 色の階調
- 構図
- 全体の雰囲気
たとえば「暗い森」だけでは、暗さの理由が分かりません。
夜なのか、木が密集しているのか。
色を暗くしたいのかでも、仕上がりは変わります。
「夕方の弱い光」「青みのある暗い緑」「粗いドット表現」のように分けると、意図を伝えやすくなります。
参考画像で言葉にできない部分を補う
見た目に関する指示は、文章だけでは限界があります。
山の表現も、言葉だけで何度か修正しました。
しかし、色の重なりや立体感までは共有できませんでした。
参考画像を添付したことで、目指す方向が明確になりました。
参考画像は、そのまま複製させるために使うものではありません。
「色はこの方向」「質感はこの程度」と、文章で説明しにくい部分を示すために使います。
AIの出力を判断するのはデザイナー
生成AIは、制作前の発想や情報整理に向いています。
たとえば、次の作業を任せられます。
- ターゲットの整理
- 訴求軸の洗い出し
- コピー案の作成
- ビジュアル方向性の提案
ただし、どの案を採用するかはデザイナーが決めます。
コピーを短くし、レイアウトや配色を整える作業も必要です。
ブランドとの整合性や、クライアントへ説明できる内容かも確認します。
AIは選択肢を広げる役です。
デザイナーは案を選び、整え、品質に責任を持つ役です。
この使い分けができているなら、独学でも実務へ取り入れられます。
難しさを感じる場合は、学び方を見直す必要があります。
生成AIスクールが必要な人・不要な人

スクールが必要かどうかは、AIの使用回数では決まりません。
自分の目的を達成できているかで考えます。
すでに作業時間の短縮や提案の改善につながっているなら、受講を急ぐ必要はありません。
反対に、使い方が定まらない状態が続くなら、独学以外の方法も検討できます。
生成AIを仕事に活かせていない6つのサイン
次の状態が続いていないか、確認してみてください。
- 画像生成を少し試しただけで止まっている
- ChatGPTへの質問が成果物につながらない
- 指示の出し方が安定しない
- AI生成物を仕事で使う方法が分からない
- 著作権や機密情報の扱いに不安がある
- 提案力や作業時間に変化がない
一つ当てはまるだけで、スクールが必要とは限りません。
複数の項目に当てはまり、数か月たっても改善しない場合は、学習の進め方を変える余地があります。
生成AIスクールが不要な人
次のような人は、まず自分で試す方が合っています。
- 生成AIを使う目的がまだ決まっていない
- 受講料を回収する見込みがない
- すでに仕事で成果が出ている
- 自分で調べながら改善できる
- 基本的な操作方法を覚えたい
Illustratorスクリプトを作りたい人は、生成AIを使ったIllustratorスクリプトの作り方から試せます。
使用するサービスを選びたい人は、Illustratorスクリプト作成に向く生成AIツールの比較も確認できます。
まずは実際の仕事で、小さな課題を一つ解決してみてください。
そこで成果が出るなら、独学のまま次の課題へ進めます。
生成AIスクールを検討した方がよい人
次の状態なら、学習環境を変える意味があります。
- 生成AIを使っても仕事の改善につながらない
- 学ぶ内容と順番を決められない
- デザイン工程へ組み込む方法が分からない
- 感覚ではなく根拠を持って指示したい
- 著作権や情報管理を一人で判断できない
- 案件獲得や単価向上へつなげたい
スクールの価値は、基本操作を教えてもらうことだけではありません。
課題の進め方や、出力を評価する視点まで学べるかがポイントです。
講座ごとに対象者や内容は異なります。
料金だけで決めず、自分の仕事に近い学習内容かを確認してください。
失敗しない生成AIスクールの選び方

私は生成AIスクールを受講した経験はありません。
ここでは、約15本のIllustratorスクリプトを生成AIで作成・改造した経験から、デザイナーが学習内容を選ぶ際の判断基準を整理します。
生成AIスクールは、知名度や料金だけで選ばない方がよいでしょう。
確認したいのは、学習内容をデザイン実務へ持ち帰れるかです。
ツールの操作説明が中心なら、無料の教材で代用できる場合があります。
プロンプトを体系的に学べるか
プロンプト例を覚えるだけでは、用途が変わったときに対応できません。
次の内容まで扱っているかを確認します。
- プロンプトの基本構造
- 用途に応じた使い分け
- 曖昧な指示を具体化する方法
- 出力を評価して改善する方法
完成した例文を配るだけでなく、自分で指示を組み立てられる講座が向いています。
デザイン実務に近い課題があるか
デザイナー向けなら、画像を生成するだけの課題では足りません。
たとえば、次のような制作課題です。
- AIを使ったバナー制作
- LP構成案とデザインカンプ
- SNS投稿デザイン
- ブランドトーンの提案
- クライアント向け提案資料
仕事に近い工程で取り組めれば、受講後の使い道を想像しやすくなります。
添削やフィードバックを受けられるか
生成AIの出力には、正解が一つではない課題もあります。
そのため、完成物だけでなく、制作過程を見てもらえる環境が役立ちます。
どの指示が曖昧だったのか。
なぜその案を採用したのか。
こうした判断まで確認してもらえるかがポイントです。
著作権・商用利用・情報管理を学べるか
仕事で使う場合は、生成方法以外の知識も必要です。
著作権や商用利用の範囲、クライアント情報を入力する際の注意点も確認します。
生成AIサービスの規約は、今後も変わる可能性があります。
決まった答えを覚えるのではなく、最新情報を調べて判断する方法を学べる講座が安心です。
受講料を回収できそうか
受講料は、学習後に得られる変化から考えます。
私なら、次のどちらかを目安にします。
- 月5〜10時間以上の作業削減が見込める
- ポートフォリオへ載せられる成果物を作れる
ポートフォリオでは、AIで画像を作ったことだけを見せても、判断力までは伝わりません。
次の流れを説明できる成果物が向いています。
- どのような課題があったか
- AIに何を任せたか
- デザイナーが何を判断したか
- どのように改善したか
申し込む前に、無料講座やYouTubeを使い、1か月ほど試す方法もあります。
それでも学ぶ順番を決められないなら、スクールを比較する価値があります。
まとめ|成果が出ないなら学び方を見直す

基本操作を覚えるためだけに、生成AIスクールは必須ではありません。
まずは無料の情報を使い、実際の仕事で試せます。
一方、自己流の指示では、修正や手戻りが増えることがあります。
私もRPG風スクリプトを完成させるまでに、概算で約100回の修正指示を出しました。
すでに作業時間や成果物が改善しているなら、スクールを比較する必要はありません。
何を学ぶべきか分からず、仕事への取り入れ方にも迷っているなら、学習内容を一度比較してみる価値があります。
独学で行き詰まりを感じているなら、自分に合う生成AIスクールを確認してみてください。


















PAGE TOP