Illustratorでデータを作成していると、オブジェクトを削除した後の空レイヤーや、途中で使わなくなったレイヤーが残ることがあります。
1ファイルだけなら手作業でも整理できますが、納品前のデータや過去の制作データをまとめて確認する場合、ファイルを一つずつ開いてレイヤーを確認するだけでも時間がかかります。
今回紹介するスクリプトを使うと、指定したフォルダ内の.aiファイルを順番に開き、サブレイヤー内まで確認して、配下にオブジェクトが一つもない最上位レイヤーをまとめて削除できます。
保存方法は、元ファイルを更新する「上書き保存」と、ファイル名に_layを付ける「別名保存」から選べます。元データを残したい場合は、別名保存を選んで処理できます。
ーProfileー
Illustrator歴20年のDTP・グラフィックデザイナーです。
制作現場で感じた手間を減らすため、Illustratorスクリプトを自作し、実際の作業で検証しています。
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空レイヤー削除スクリプトでできること

このスクリプトは、指定したフォルダ内にある.aiファイルを順番に開き、オブジェクトが入っていない最上位レイヤーを自動で削除します。
レイヤー直下だけでなく、その中にあるサブレイヤーまでオブジェクトの有無を確認します。最上位レイヤーの配下にオブジェクトが一つもない場合だけ、その最上位レイヤーが削除されます。
ただし、空のサブレイヤーを一つずつ削除するスクリプトではありません。最上位レイヤー内のどこかにオブジェクトが残っている場合、その中にある空のサブレイヤーも残ります。
主な機能
このスクリプトには、次の機能があります。
- 指定フォルダ直下にある`.ai`ファイルを一括処理
- サブレイヤー内までオブジェクトの有無を確認
- 配下を含めて空の最上位レイヤーを自動削除
- ロック中や非表示の空レイヤーにも対応
- 上書き保存と別名保存を選択可能
- 空レイヤーがなかったファイルは保存せずに終了
- 処理したファイル数や削除したレイヤー数を最後に表示
別名保存を選択した場合は、元のファイル名に_layを付けた.aiファイルが作成されます。
空レイヤーが見つからなかったファイルは、上書き保存と別名保存のどちらを選んでも保存されません。変更のないファイルまで更新したり、不要な複製ファイルを作ったりするのを防げます。
こんな作業におすすめ
このスクリプトは、複数のIllustratorファイルをまとめて整理したい場面に向いています。
納品前のデータを確認するとき、レイヤーパネルに空レイヤーが残っていないかをファイルごとに確認するのは手間がかかります。ファイル数が多いほど、開く、確認する、削除する、保存するという作業を何度も繰り返さなければなりません。
次のような作業で利用できます。
- 納品前に複数の制作データを整理したい
- テンプレートから作成したファイルの不要なレイヤーを削除したい
- 過去のIllustratorデータをまとめて整理したい
- 元データを残したまま整理後のファイルを作成したい
- ファイルを一つずつ開いて確認する時間を減らしたい
このスクリプトは、指定フォルダ直下の.aiファイルと、配下を含めて空の最上位レイヤーを処理対象にしています。
ダウンロードと対応環境

スクリプトを使用する前に、ダウンロードするファイルと対応環境を確認してください。
このスクリプトは無料で使用できます。
ダウンロード
空レイヤー削除スクリプトは、以下からダウンロードできます。
ダウンロード後に「処理するファイルやレイヤーの条件を変えたい」と感じた場合は、生成AIに動きを伝えて、自分用に調整する方法もあります。
対応環境
対応環境は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Illustrator | CS6以降/CCシリーズ |
| 対応OS | Windows/macOS |
| スクリプト言語 | ExtendScript |
| ファイル形式 | .jsx |
処理対象は、指定したフォルダ直下にある.aiファイルです。サブフォルダ内のファイルや、PDF・EPSなどの別形式は処理されません。
スクリプトの使い方

このスクリプトは、処理するIllustratorファイルを一つのフォルダにまとめてから実行します。
実行時は、最初に保存方法を選び、その後で処理対象のフォルダを指定します。まずは全体の流れを画像で確認してください。

基本の使い方
手順は以下の通りです。
- 空レイヤーを削除したい`.ai`ファイルを一つのフォルダにまとめる
- Illustratorを起動する
- 「ファイル」から「スクリプト」を開く
- 「その他のスクリプト」を選択する
- `F_空レイヤー削除02.jsx`を選択する
- 保存方法を選択する
- 処理対象のフォルダを指定する
- 処理結果を確認する
スクリプトを実行すると、次の2種類から保存方法を選択できます。
上書き保存
空レイヤーが削除されたファイルを、元のファイルへ上書き保存します。
空レイヤーが見つからなかったファイルは保存されません。
別名保存
元のファイルは変更せず、ファイル名に_layを付けた新しいファイルとして保存します。
たとえば、元のファイル名がsample.aiの場合、処理後は次の名前で保存されます。
sample_lay.ai
元のファイルを残したい場合は、別名保存を選択してください。
保存方法を選んだ後、処理する.aiファイルが入っているフォルダを指定します。
指定したフォルダ内のファイルが順番に開かれ、空レイヤーの確認と削除が行われます。
処理が終わると、次の内容が表示されます。
- 対象となった`.ai`ファイル数
- 正常に処理できたファイル数
- 開けなかったファイル数
- 空レイヤーが削除されたファイル数
- 削除した空レイヤーの合計数
うまく動かないとき
スクリプトが動かない場合や、空レイヤーが削除されない場合は、次の項目を確認してください。
選択したフォルダに.aiファイルが入っているか
指定したフォルダ内に.aiファイルがない場合は、ファイルが見つからないことを知らせるメッセージが表示されます。
このスクリプトが処理するのは、選択したフォルダ直下にある.aiファイルです。サブフォルダ内のファイルは処理されません。
最上位レイヤーが1枚だけではないか
初期設定では、最上位レイヤーが1枚しかないファイルは、空レイヤーの削除対象になりません。
これは、ファイル内の唯一のレイヤーを削除しないための安全対策です。
レイヤーが1枚だけのファイルも処理する場合は、スクリプト内の次の設定を変更します。
var ALLOW_SINGLE_LAYER_DELETE = false;
falseをtrueへ変更すると、最上位レイヤーが1枚だけのファイルも処理対象になります。
唯一のレイヤーが削除される可能性があるため、この設定を変更する場合は元データを複製してから実行してください。
レイヤー内にオブジェクトが残っていないか
レイヤーパネル上では空に見えても、次のようなオブジェクトが残っている場合、そのレイヤーは削除されません。
- 非表示のオブジェクト
- アートボード外にあるパス
- 透明なオブジェクト
- テキスト
- グループ
- 配置画像
- 複合パス
- シンボル
- ラスタライズ画像
- メッシュやグラフ
削除されない場合は、レイヤーパネルを展開し、オブジェクトが残っていないか確認してください。
空のサブレイヤーだけが残っていないか
このスクリプトは、サブレイヤー内まで確認し、配下にオブジェクトがない最上位レイヤーを削除します。
最上位レイヤー内にオブジェクトが一つでもある場合、その中に空のサブレイヤーがあっても削除されません。
空のサブレイヤーだけを個別に削除する機能ではない点に注意してください。
ファイルがIllustratorで開けるか
破損しているファイルや、Illustratorで正常に開かないファイルは処理できません。
処理結果に「開けなかったファイル数」が表示された場合は、対象のファイルを手動で開けるか確認してください。
スクリプト自体が実行できない場合は、Illustratorスクリプトが動かないときの原因と対処法も確認してください。
使用前の注意点

このスクリプトは複数の.aiファイルをまとめて処理します。
特に「上書き保存」を選んだ場合は、元のファイルへ変更内容が反映されます。実行前にバックアップを取り、保存方法を確認してから使用してください。
バックアップについて
上書き保存を選択すると、空レイヤーが削除された.aiファイルがそのまま保存されます。
保存後にIllustratorを閉じると、削除したレイヤーを元へ戻せない可能性があります。納品前のデータや再編集する予定があるファイルへ使用する場合は、処理対象のフォルダをあらかじめ複製してください。
初めて使用する場合は、元ファイルを残せる「別名保存」をおすすめします。
別名保存では、元のファイル名に_layが付いたファイルが作成されます。処理後のデータを確認し、問題がなければ整理済みのファイルとして使用できます。
また、スクリプトはロック中や非表示の空レイヤーも、ロックを解除して表示状態へ変更したうえで削除します。
残しておきたい空レイヤーがある場合は、実行前にダミーオブジェクトを配置するか、処理対象のファイルから外してください。
商用利用・著作権について
使用にあたっては、以下の内容をご確認ください。
- ご利用はすべて自己責任でお願いいたします
- スクリプトの使用によるトラブルや損失について、当方は一切の責任を負いません
- 商用利用における成果物の品質や結果についても、当方では責任を負いかねます
- 本スクリプトの著作権は制作者に帰属します
- 無断での転送・販売・再配布は禁止いたします
支給データや入稿データに使用する場合は、素材、画像、フォント、配置PDFなどの扱いにも注意してください。
このスクリプトは、著作権や使用許諾を確認するものではありません。
便利なスクリプトですが、本番データで使用する前には、必ず保存と動作確認を行ってください。
まとめ

今回は、指定したフォルダ内の.aiファイルを順番に開き、空レイヤーをまとめて削除するIllustratorスクリプトを紹介しました。
このスクリプトでは、サブレイヤー内までオブジェクトの有無を確認し、配下を含めて完全に空の最上位レイヤーだけを削除します。
保存方法は、元ファイルを更新する「上書き保存」と、ファイル名に_layを付ける「別名保存」から選択できます。
複数のIllustratorファイルを一つずつ開いてレイヤーを確認する手間を減らしたい場合に便利です。
上書き保存を選ぶと元データが変更されるため、実行前にバックアップを取ってください。
今回のスクリプトをそのまま使うだけでも、複数ファイルのレイヤー整理を効率化できます。
一方で、実際の作業では「空のサブレイヤーも削除したい」「サブフォルダまでまとめて処理したい」など、処理条件を変えたくなることもあります。
そのような場合は、生成AIに作りたい動きを伝えて、自分用のIllustratorスクリプトを作る方法があります。

















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