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- Illustratorスクリプトを作るには、何を準備すればいいの?
- どのプログラム言語を学べばいいの?
- 参考なる書籍はあるの?
Illustratorでの作業効率を改善するために「自分専用のスクリプト」を作りたいと思っているデザイナーは多いですよね。
ただ、何から始めれば良いのかわからず、最初の一歩が踏み出せない人もいるでしょう。
そこで、今回はIllustratorスクリプトの自作に必要な開発環境の準備や、学ぶべきプログラミング言語について、画像と共にわかりやすく解説します。
この記事を読むことで「自分専用のIllustratorスクリプト」作成が可能に!
さらに、スクリプト制作に役立つおすすめ書籍もご紹介するので、ぜひご参考ください。
Profile
この記事を書いている私は、DTPデザイナーとしてIllustratorの操作経験が15年以上あり、スクリプトも自ら作成し、デザイン作業の効率化を図っています。
本ブログでもスクリプトに関する記事を定期的に公開していますので、ぜひご参考にしてください。
関連記事:「完全無料」で作業の効率化!Illustratorスクリプト特集!
Illustratorスクリプトの作り方
Illustratorスクリプトの制作には、以下の4つのステップがあります。
1.テキストエディタを準備する
2.プログラム言語を選ぶ
3.動作して欲しいことを記述する
4.保存して実行する
それでは一つずつ詳しく解説していきますね。
テキストエディタの準備
最初にIllustratorスクリプトの自作するうえで、必要になるのがテキストエディタです。
テキストエディタとは「文字情報の入力・編集・保存を可能とするアプリ」のことで、メモ帳アプリなどが当てはまります。
WindowsやMacに標準装備されているメモ帳やテキストエディタでも作成はできますが、プログラム開発に特化したテキストエディタを準備しましょう。すでに使い慣れているテキストエディタがある方はそれを使ってかまいません。
これからテキストエディタを準備するという方には、Microsoft社が無償で提供している【visual studio code】がお勧めです。
「visual studio code」は、Windows、MacOS、Linuxに対応しており、ウェブサイト制作はもちろん、スクリプトやアプリ開発など幅広く活用できる本格的なテキストエディタです。
Illustratorスクリプト用の拡張機能もAdobeから提供されておりスクリプトの制作がスムーズにできる仕様が整っています。
visual studio codeは、公式サイトからDLできます。
visual studio code公式サイト→【https://code.visualstudio.com】
なお、visual studio codeの使い方や拡張機能のインストール方法は、次の記事で画像を交えながら説明していますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:無料で使えるVS CodeでIllustratorスクリプトの開発環境を整えよう
プログラム言語を選ぶ
テキストエディタの準備ができたら、次にプログラム言語を選びましょう。
Illustratorのスクリプト制作では、以下のプログラム言語がサポートされています。
・Microsoft Visual Basic
・AppleScript
・JavaScript
この記事では、WindowsとMacの両方で動作し、さらにネット情報量や書籍数、応用力の点でも優れているJavaScriptを選択して解説していきます。
スクリプトの記述
テキストエディタとプログラム言語の準備が完了したら、次にプログラム言語の文法に従って、テキストエディタ内に実行したい内容を記述します。
プログラムの基本は、コンピュータに対して「□□しなさい」と命令することです。ただし、Illustratorに対して漠然と「□□しなさい」と指示しても反応はありません。
「誰が」□□するのかを明確に指定する必要があります。
例えば、日本語で「アラート画面に‘HELLO WORLD’を表示しなさい」という指示を実行させるには、次のように書きます。
alert('HELLO WORLD');
このコードは、アラートウィンドウに「HELLO WORLD」と表示するよう指示を出すもので、Illustratorに限らず基本的なJavaScriptでよく使われるものです。このように記述することで、Illustrator内でも命令を実行させられるようになります。
javascriptの基本文法については、下記の記事でサンプルコードを使って説明していますので、参考にしてください。
関連記事:Illustratorスクリプト開発!JavaScript基本文法6選
保存と実行
テキストエディタに実行したい内容が記述できたら拡張子を【.jsx】として保存します。
保存場所は以下を参考にしてください。
・Windowsの場合: Illustrator > Presets > Scripts
・Macの場合: Applications > Adobe Illustrator > Presets > Scripts
※上記以外の場所に保存しても問題はありませんが、上記のディレクトリに保存すると、Illustratorのメニューから簡単にアクセスできます。
保存が完了したら、[Illustratorメニュー > ファイル > スクリプト]から実行しましょう。
もっと詳しIllustratorスクリプトの使い方については、以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
関連記事:【入門】Illustratorスクリプトの使い方!お手軽に自動化のススメ
関連記事:Illustratorスクリプトが動かない時の簡単解決法5選
サンプルスクリプトの紹介
この章では、JavaScriptを使ってIllustratorでの基本的な操作を行うスクリプトのサンプルコードを紹介します。
実際に手を動かしながら、Illustratorスクリプトの制作を体験してみてください。
新規ドキュメントを作成するスクリプト
ここで紹介するIllustratorスクリプトは、新しいドキュメントを自動で作成するスクリプトです。
このスクリプトを使えば、定型のドキュメントを簡単に生成でき、スムーズに作業を始められます。
以下がそのサンプルコードです。まずは実際に動かしてみましょう。
// 新規ドキュメントを作成するスクリプト
var doc = app.documents.add();
doc.artboards[0].name = "メインアートボード";
具体的にコードを分解して見ていきましょう。
[// 新規ドキュメントを作成するスクリプト]
この行はコメントです。コメントはコードに説明を加えたり、メモを書き残したりするために使います。コードの実行には影響しません。
[var doc = app.documents.add();]
[var doc
] は変数 [doc
]を定義している部分です。この変数は、新しく作成されるドキュメントを参照するために使われます。
[app.documents.add()
]は、Illustratorアプリケーションの [documents
]オブジェクトの [add()
] メソッドを呼び出し、新しいドキュメントを作成します。
この行を実行すると、新しい空のドキュメントがIllustrator上に生成され、変数 [doc
]にそのドキュメントが格納されます。これにより、以降の処理でこのドキュメントにアクセスできるようになります。
[doc.artboards[0].name = "メインアートボード";]
[doc.artboards
]は、作成されたドキュメントに含まれるアートボードの一覧です。
[[0]
]は、最初のアートボードを指定しています。アートボードのリストは0から始まるため、最初のアートボードを参照するには [doc.artboards[0]
]と記述します。
[.name = "メインアートボード";
] は、アートボードに「メインアートボード」という名前を設定しています。
この行によって、新規ドキュメントの最初のアートボードが「メインアートボード」と名付けられます。アートボードに名前を付けることで、複数のアートボードを持つドキュメントでも、特定のアートボードを識別しやすくなります。
このスクリプトを実行すると、Illustratorに新しいドキュメントが作成され、最初のアートボードに「メインアートボード」という名前が付きます。
他の基本的な操作については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
記事を読むことで、Illustratorスクリプトの基礎操作をさらに習得できます。
関連記事:illustratorのスクリプト機能で[レイヤー]を操るコード【javaScript】
関連記事:illustratorのスクリプト機能で[テキスト]を操るサンプルコード
関連記事:illustratorのスクリプト機能で[レイヤー]を操るコード【javaScript】
2.専門書を活用する
ここまでIllustratorスクリプトの基本的な作り方を解説してきました。
さらに自分の業務に合わせたスクリプトを作成するには、専門書を活用すると効率的です。
ここでは、Illustratorスクリプトの専門書2冊をご紹介します。
それぞれ、初心者から上級者まで役立つ内容が詰まっていますので、スクリプト制作のスキルアップにぜひご活用ください。
・Adobe JavaScript リファレンス
・Illustrator自動化 基本編
Adobe JavaScript リファレンス
Adobe JavaScript リファレンスは、JavaScriptの基本概念から始まり、Adobe製品における具体的なスクリプト作成方法までを包括的にカバーしており、著者は豊富なイラストやコードサンプルを交えながら、読者に理解しやすい形で説明しています。
Illustrator自動化 基本編
『Illustrator自動化 基本編』は、古籏一浩氏によって執筆された、Adobe Illustratorの自動化技術に焦点を当てた実践的なガイドです。この書籍は、デザイナーやクリエイターがIllustratorをより効果的に使用し、制作効率を飛躍的に向上させるJavaScriptの実用例が330本、掲載されています。
なお、次の記事ではIllustratorスクリプトを学ぶうえで役立つ、書籍とWEBサイトについて紹介しているので良ければ参考にしてください。
まとめ:Illustratorスクリプト作り方
本記事では、Illustratorスクリプトを作るのに必要なテキストエディタの準備やスクリプトの記述方法について詳しく解説しました。
スクリプト作成の基本的な流れは次のとおりです。
1. テキストエディタを準備する
2. プログラム言語を選ぶ
3. 実行したい動作を記述する
4. 保存して実行する
この記事を通して、Illustratorスクリプトの作り方の始め方が理解できたと思います。
これを基に、自分に合ったスクリプトの制作にぜひ挑戦してみてください。
Illustratorスクリプトを自分で作るには、Illustratorの操作知識とJavaScriptの知識の両方が必要になってきます。IllustratorやJavaScriptの知識は、独学でも身につけられますがスクールを活用した方が効率よく学べるためおすすめです。
WEBブラウザさえあれば利用できるスクールもあるので、休日やすきま時間などで効率的な勉強が可能です。ただ、学べる内容や料金体系はスクールごとに異なるため、必ず確認しましょう。
最後におすすめのスクールを3つ紹介します。
無料体験講座などもあるのでおすすめです。
・[デジハリ]
・侍エンジニア塾 無料体験レッスン
・【アドバンスクールオンライン】
というわけで、今回は以上です。
『【入門編】Illustratorスクリプトの作り方をサンプルを交えて解説』を最後までお読みいただきありがとうございました。